昭和53年卒業 ミステリ作家 有栖川有栖さん

2007年08月28日(火)


上宮高校と私


ため込んでおいたあれやこれやを抽斗から取り出し、
物語に加工して人様にご披露するのが作家です。
私はそんな仕事を二十代の終わりから続けているのですが、
高校時代に得たものが今もって抽斗の奥から次々現れるので驚きます。
十代の半ばに、思っていたより多くのことを吸収していたようです。
さしてドラマチックなこともないまま淡々と過ぎたようで、
濃密な時間を過ごしていたのだな、と気づきました。
「あれを知ったのも、これを試したのも、上宮高校にいた時だったのか」
という感慨があります。
小説や映画や音楽について、存分に語り合える級友に恵まれました。
不毛な競争を先生から強いられることなく、学ぶことが自然と好きになって
いました。現在の私を支える土台を築けたのです。
それは、作家という稼業に就いていなくても同じでしょう。
人がいて、環境があったのです。
母校に感謝しています。

(上宮中学校2008年度学校案内 P12から引用)
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